家で楽器演奏したり、歌ったりする時の気になるのが騒音問題。
周りに気をつかって本気で楽しめないのは非常に残念です。
そこで、このページでは、部屋の防音対策について、うちの防音スタジオの実例にそってまとめました。
うちの場合は新築の段階で壁面にダイケンの遮音シートを施してはいたものの、天井・床窓は通常の施工でした。室内ドアはダイケンの防音タイプ。なので防音ルームとはいえ中途半端なレベルのものでした。
これをDIYで改善バージョンアップした経験を元に記事にしています。
壁面と天井の防音
天井用の防音材もありますが、いろいろ調べ施工の難易度やコストの問題で、壁面と天井は同じ防音材を取り入れました。
実際音楽スタジオなどでも、壁面と天井同様のものを使っているのをよく見ます。
防音シート(遮音シート)
防音対策のポイントは、遮音(音を遮る)吸音(音を吸収する)のふたつ。
遮音と吸音を組み合わせることで効果的になります。
壁面にはまず防音シートを貼ります。隙間なく張りつめたほうが効果的です。
音はさえぎりますが、電波は通す素材なので、無線LANや携帯電話も使えます。
カッターやハサミでカットできます。ワンロールかなりの重量があります。
また、天井にも使いましたが、重量があるので施工しやすい大きさにカットしたほうが楽です。また、ガンタッカを使って貼り付けると簡単です。
遮音シートを貼った感想
遮音シートを貼っても劇的な変化はありません。少しはさえぎってるかなという程度。周波数にもよるのかもしれません。
それから、防湿遮音シートの場合、湿度を壁に通さないわけで、冬場シートの室内側が結露します。外に面した壁や気温の低い天井部分は要注意です。特に防音ルームは密閉しておくことが多いので、除湿や換気を十分におこなったほうがよいです。
そして、あまっていたシートは床面にも敷きました。
10畳ちかい部屋なので、全面に施工するとかなりのコストと手間がかかりますが、この時は録音ブースという発想がなく、全室防音に挑みました。
いまから思えば、録音ブースにしておけば簡単で安上がりだったと思います。賃貸物件のばあいは、ブースがいいと思います。
これからDIYされる方はご検討ください。
ただ、部屋丸ごとだと、音出しスペースの自由さはありますし、冷暖房完備なので快適です。
賃貸DIYに便利なアイテム
賃貸や壁面を傷めたくない場合に便利な建材があるので紹介します。
ツーバーイフォーなどの規格の材木をつっぱって柱や壁面を作れるアジャスターです。防音ブース作りに、間仕切りしてその囲いの中だけ防音材を施工するとよいとおもいます。リンク先の店に種類がありますのでチェックしてください。
これは、DIYerには人気の建材で、ミュージシャンの方でしたら、ギターを壁面に吊したいけど、壁を傷つけられないという場合は、柱をたててそこにギターラックを取り付けることができます。
宅録機材の収納棚をつくってもいいですね!
吸音材
防音室で重要なのが吸音材です。これにはこだわり、調べまくり、実際何種類もの素材を購入し、試してみたので実感です!
防音効果をあげたかったら、良質の吸音材を厚くはるといいです!
まずは、私一押しの吸音材がこちら!まるで布団のようです。
吸音性能・施工のしやすさ・コスパのよさ、3拍子そろってて、いろいろ試した中で最強でした。防音効果をたしかめながら、不足とあれば、この吸音材を重ね貼りしていけたのです。天井も壁も自由自在にガンタッカで簡単に貼り付け可能でした。ハサミで自由な大きさにカットして使えるのでそれも簡単で便利。
チクチクするタイプの吸音ボード ポリエステル繊維の吸音材
イーフェルト厚さ50mm下段はイーフェルト
ガラスクロス貼り厚さ25mmホワイトキューオン
購入した吸音材
見た目がいいのはこのタイプ・表面にゴミがつきにくいです。
厚みがあるほど吸音し防音効果が高まるので基本的に50mm厚を選んでいます。薄いタイプも販売されています。
防音性能の数値グラフや動画の防音効果実験などいろいろな資料を調べ比較検討し、ポリエステル繊維系がよいと判断しました。
防音効果にくわえ、チクチクせず人に優しく、加工や施工もしやすく、コスト面でも優秀だとおもいます。
吸音材を使ってみた感想
防音効果を測定しつつ、吸音材の量を増やしていきました。やはり、多ければ多いほど防音できました。
隣室がある面の壁には厚めに貼り付け、天井にも張り巡らせました。
おかげで、見た目が雲の中のようになり、仙人になった気分でスタジオにいます。
音響的には、まったく反響がありません。
防音スタジオで電話すると反響がない分、相手には聞き取りやすいようです。他の部屋で電話応対すると反響して聞こえるそうです。
歌の練習は、反響しないので、実力が丸聞こえ。お風呂のようにエコーが聞いてカモフラージュされることがないのでよいと思います。
実際のレコーディングスタジオの施工をみると、反響と吸音のバランスをとってつくられているので、改良するとしたら、もうすこし反響させたいとおもいます。
スタジオの真下に給湯器のリモコンがあり、風呂を沸かす時の音声が壁をつたって聞こえていましたが、吸音材をふやすことで全く聞こえてこなくなりました。
遮音シートだけの時はきこえていましたので、吸音材の重要性は実感です。
そして、音響の以外には、冷暖房効果もすこぶるよくなりました。
デメリットをあげるとしたら、コスト重視の材料をつかったので、見た目が雲や布団の綿の中の部屋のようなことです。
猫が吸音材を引っ掻きはがしたり、ほこりが付着してくるのが難点です。
予算ある場合は、ガラスクロス貼りのイーフェルトがお手入れしやすく見た目もいいのでおすすめです。
それから、個人的にはウレタンの吸音材に期待できなかったので購入はしませんでした。
その訳は、ウレタンのマットレスを吸音材がわりに重ねていたことがありましたが、全く効果を感じなかったからです。